慰謝料

弁護士に依頼した場合に離婚慰謝料はいくらになる?ケース毎の相場を紹介

離婚の原因はご夫婦によって様々ですが、相手に離婚の原因があるのであれば、離婚の慰謝料を請求することができます。

反対に、相手が離婚について全く非が無い場合には、慰謝料を請求することはできません。離婚する理由はご夫婦によって異なりますので、慰謝料が認められるかどうかはケースバイケースです。全ての場合に慰謝料を請求できるわけではありません。

今回は、「離婚によって慰謝料を請求できる場合」について、具体的な事例を交えて分かりやすく紹介します。また、「どれくらいの慰謝料を請求できるのか」について、離婚の原因ごとにおおよその相場をご紹介します。

離婚をお考えの方の中には、「一刻も早く離婚したい」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、離婚後には、引っ越しや転職などによって様々なお金がかかります。離婚後のストレスを少しでも軽減するためにも、慰謝料を受け取っておいて損はありません。

獲得できるはずの慰謝料を取り逃さないためにも、今回の記事を読んで、離婚の慰謝料の相場を頭に入れておきましょう。

離婚によって慰謝料を請求できる場合

相手が離婚の原因を作った場合には、慰謝料を請求することができます。それでは、具体的にどのような場合に慰謝料を請求できるのでしょうか?

具体的なケースを見ていきましょう。

ケース1:身体的な暴力を受けた場合

結婚相手から身体的な暴力を受けた場合には、慰謝料を請求できます。いわゆる「DV(ドメスティック・バイオレンス)」です。

身体的な暴力とは、殴る蹴(け)るなどの暴行をすることや、首を絞めたり、突き飛ばしたりすることです。

直接身体に暴力をふるわれた場合に限らず、近くに物を投げつけられた場合や、包丁などの凶器によって脅された場合など、身の危険を感じる行為を広く含みます。

暴力を原因として離婚をする場合には、慰謝料の相場はおよそ50万円から500万円です。暴力の期間が長い場合や、DVの傷が後遺症として残っている場合には、慰謝料が高額となる傾向があります。

また、骨折などの大きな怪我(けが)が生じた場合や、病院で手術や手当てが必要となった場合には、慰謝料が増額されることがあります。

ケース2:精神的な暴力を受けた場合

精神的な暴力を受けた場合には、慰謝料の対象となります。

「精神的な暴力」とは、暴言や嫌がらせによって相手に苦痛を与えることです。「モラル・ハラスメント」と呼ばれることもあります。

例えば、「料理がまずい」「お前は育ちが悪い」というように、侮辱的な発言によって相手を精神的に威圧(いあつ)することです。

他にも、相手が専業主婦であるにも関わらず生活費を渡さないことや、生活費の使いみちを執拗(しつよう)に監視することも、精神的暴力に含まれます。このようなケースは「経済的DV」と呼ばれます。

精神的な暴力を原因として離婚をする場合は、慰謝料の相場はおよそ50万円から300万円です。精神的な暴力に悩んでいる期間が長く、メンタルクリニックなどの専門機関に相談している場合には、慰謝料が高額となる傾向があります。

モラルハラスメントの内容については下記ページでも解説しておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。

精神的な暴力を理由として慰謝料を請求する場合の注意点

精神的な暴力は密室で行われるため、十分な証拠が無いという場合が少なくありません。このような場合には、残念ながら、慰謝料は1円も認定されません。確実に慰謝料を請求するためには、十分な証拠が必要です。

どのような証拠が必要となるかは、ケースバイケースによって異なります。精神的な暴力でお悩みの方は、なるべく早い段階で弁護士に相談しましょう。

ケース3:浮気・不倫をされた場合

浮気・不倫を原因として離婚をする場合は、慰謝料を請求することができます。

ただし、浮気・不倫をした時点において、夫婦仲が完全に冷え切っており、実質的に破綻(はたん)している場合には、慰謝料を請求することはできません。

慰謝料を請求できるのは、「浮気が発覚するまでは夫婦仲が円満であった場合」や、「夫婦仲が険悪であるものの、浮気が発覚するまでは一緒に生活しており、結婚生活が維持されていた場合」です。

浮気・不倫を原因として離婚をする場合は、慰謝料の相場はおよそ50万円から300万円です。不倫相手との間に子どもがいる場合など、浮気の悪質性が高い場合には、300万円以上の高額な慰謝料が認定されることもあります。

なお、浮気・不倫の慰謝料については、下記ページにて解説しておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。

ケース4:悪意の遺棄の場合

「悪意(あくい)の遺棄(いき)」とは、夫婦の協力義務を怠り、共同生活を崩壊させることです。何度も無断で家を飛び出したり正当な理由なく生活費を支払わない場合は、悪意の遺棄に該当します。

悪意の遺棄は、法律上の離婚原因の一つとして認められており、慰謝料の対象となります。

悪意の遺棄を原因として離婚をする場合は、慰謝料の相場はおよそ50万円から200万円です。遺棄の期間が長ければ長いほど、慰謝料が高額となる傾向があります。

また、遺棄をする理由やタイミングによっても、慰謝料の金額が大きく変わります。

例えば、障害を持つ子どもが生まれた途端に家を飛び出して、子育てを全て妻に押し付けて失踪したような場合には、妻の精神的苦痛が多大であることから、高額な慰謝料が認定される可能性があります。

ケース5:セックスレスの場合

夫婦間に長期間の性交渉が無い場合や、性的不一致がある場合は、慰謝料の対象となります。

セックスレスには様々な形態がありますので、慰謝料の相場にも開きがあります。セックスレスを原因として離婚する場合は、慰謝料の相場はおよそ30万円から300万円です。

例えば、結婚当初から一度も性交渉が無い場合や、不倫をしているために性交渉を拒否している場合には、慰謝料が高額となる可能性があります。

セックスレスによる慰謝料を請求する場合の注意点

セックスレスを原因として離婚をする場合であっても、慰謝料そのものが認められないことがあります。

例えば、病気や身体的理由によって性交渉ができない場合は、性交渉を拒否することに正当な理由があるといえます。このような場合には、慰謝料は発生しません。

慰謝料が発生するのは、「正当な理由が無いにも関わらず、性交渉を拒否している場合」に限られます。

相場に応じた適切な慰謝料をもらうためには弁護士にご相談を

今回は、どのような場合に慰謝料を請求できるかを解説したうえで、離婚の原因ごとの慰謝料の相場を紹介しました。

上記で紹介した慰謝料の相場は、あくまで「弁護士に依頼して慰謝料を請求した場合の相場」です。ご自身で慰謝料を請求した場合の相場とは異なりますので、ご注意ください。

弁護士は法律の専門家ですので、慰謝料を請求するタイミングや方法についてノウハウを持っています。どのような証拠が有利となるのかについても熟知しておりますので、「この証拠があれば、このぐらいの慰謝料を請求できる」という相場も把握しております。

このように、慰謝料を請求するための専門的なノウハウがあるため、弁護士に依頼した場合には、ご自身で請求する場合に比べると、慰謝料が高額となる可能性があります。

このため、「相場に応じた適切な慰謝料をもらいたい」という方や、「確実に慰謝料を獲得したい」という方は、弁護士にご依頼されることをお勧めいたします。

慰謝料の請求には時効があるため早めの相談を

相場に応じた慰謝料を確実に獲得するためには、専門的なノウハウが必要です。お悩みの方は、一度弁護士にご相談ください。

経験豊富な弁護士事務所なら、「これから離婚をする方」だけでなく、「既に離婚をしている方」からのご相談も承っています。既に離婚されている方でも、元夫や元妻に対して、慰謝料を請求することができます。

ただし、慰謝料の請求には時効があります。離婚が成立して3年が経過すると、離婚の慰謝料は請求できなくなります。獲得できるはずの慰謝料を取り逃さないためにも、既に離婚をしている方は、できる限りお早めにご相談ください。