「妻が育児に疲れ果ててヒステリックで悩んでいる…」「精神的に不安定な妻と離婚したい…」と離婚を検討している方も多くいるでしょう。
このような状況に陥ると離婚が頭をよぎることも増えますが、夫婦2人だけの問題ではなくて、子供も関わってくるため落ち着いて対処することが大切です。
ここでは、育児ノイローゼで離婚を考え出した場合の適切な対処法について解説します。この記事を読めば、子供を尊重した形で現在の問題が解決できるでしょう。
- 育児ノイローゼそのものは離婚事由に該当しない
- 夫婦関係が破綻している場合は離婚事由に該当する
- 離婚する場合は親権等の諸問題が発生するため慎重に考慮すべき

目次
離婚の原因「育児ノイローゼ」の7つの症状

育児ノイローゼを理由に離婚を検討する方もいますが、実際にどのような症状なのかを確認してみましょう。
1.イライラする
育児ノイローゼはストレスが蓄積された状態で発症するものなので、いつも以上に神経が過敏になってしまいます。子供が夜泣きをしたら、子供に対して声を荒げて叱ってしまうなど違和感を感じた場合は、育児ノイローゼを疑ってみた方が良いでしょう。
2.自分の子供を可愛いと思えなくなる
自分の子供への興味や関心が薄れてしまうのも育児ノイローゼの大きな特徴です。症状が悪化をすると、子供のことが可愛いとすら思わなくなります。
また、自分の子供のことを可愛いと思えないという悩みを周囲には打ち明けづらいため、1人で悩みを抱え込んでしまうこともあります。そのため、夫婦で症状を解消していけるように協力し合うことが大切です。
3.不眠症になる
新生児期は頻回授乳や夜泣きをすることもあるため、夜中に起きなければいけないことも多いです。育児ノイローゼになると精神不安定にもなるため、不眠症の症状が出てしまいます。
4.家に引きこもりがちとなる
外出するためには準備が必要ですが、その気力が湧かないというのが育児ノイローゼの特徴です。育児の疲労によって、人と関わるエネルギーすらないという状態になります。
しかし、子供と二人きりの状態が続くと、ストレスを溜め込んでしまう原因となり、症状悪化につながるため悪循環に陥らないように注意が必要です。
5.掃除などの家事が行えない
日々の疲労が蓄積されてきて、睡眠不足にもなると思考力が低下してきます。このように、思考力が低下すると、何もやる気が起こらないなどの無気力状態に陥ることもあるため注意が必要です。
以前は掃除や料理などの家事を得意としていたにも関わらず、1日何もやらずに時間だけが過ぎていく状況が続いた場合は、育児ノイローゼを疑いましょう。
育児ノイローゼは離婚事由に該当するのか

育児ノイローゼを理由に離婚を検討する方は一定数いますが、これらは離婚事由に該当するのかを確認していきましょう。
育児ノイローゼは離婚事由に該当しない
結論から説明をすると、育児ノイローゼは離婚事由に該当しません。精神病の配偶者との離婚の可否は病状によります。強度の精神病であり、回復の可能性がない場合は離婚事由に該当します。しかし、育児ノイローゼなどの場合は一般的に回復される症状とみなされるため、離婚事由として認められません。
夫婦関係が破綻している場合は離婚事由に該当する
結婚を続けられない重大な理由がある場合は、離婚事由に該当します。たとえば、育児ノイローゼで悩んでいる妻のフォローをしているにも関わらず、暴言などの精神的な暴力を受けた場合や夫婦の会話が全くない状況に陥ってしまった場合は、離婚事由に該当します。
育児ノイローゼで離婚した後に起こる問題

育児ノイローゼを理由に離婚はできますが、離婚後に起こる問題を想定しておくことが大切です。
1.仕事・お金の問題
離婚後に直面するのが、仕事・お金の問題です。離婚前から働いていて、離婚後も仕事を続ける見通しが立っている人は、すぐに生活費に困る心配はありませんが、長年、専業主婦として生活していた人は、生活費を確保するために仕事を探す必要があります。
独身時代に仕事の経験があっても、スキルに見合う職が見つかりにくい、資格がなければ働きにくいという現実があります。
2.子どもの問題
子どもの問題に関しては、どちらが引き取るかの問題だけではなく、養育費の支払いをどうするかも大きな問題です。仕事と育児の両立を目指すのでなければ、子供の預け先についても考えなければいけません。
子ども自身が、両親の離婚をどう受け止めるのかという精神面でのケアも重要です。離婚したことを理由に、必ずしも子どもが不幸になるわけではありませんが、子どもの幸福を第一に考えることが大切です。
3.その他の問題
自分自身の健康や近所づきあい、会社の人間関係などのストレスも決して無視できない要素です。世間的には、離婚に対して厳しい目が注がれることもあります。周囲には、離婚の事情を理解して、あたたかく接してくえる人ばかりではないことを覚悟しておきましょう。
育児ノイローゼを改善する5つの方法

育児ノイローゼで離婚をすることもできますが、まずは状況が改善できないかを検討してみましょう。ここでは、育児ノイローゼを改善する5つの方法をご紹介します。
1.育児を頑張っているご褒美をあげる
育児を頑張った分のご褒美を用意するのも効果的です。以前から欲しがっていたアクセサリーを購入したり、両親に子供を預けて育児から離れて旅行をしても良いでしょう。育児を離れて自分がホッとするようなことや、ワクワクできるようなことをしてみましょう。
2.最初から完璧に行くわけがないと割り切る
完璧主義者の人が育児ノイローゼにかかりやすい傾向があります。完璧に育児をこなそうとして、それが上手くいかない場合にストレスが蓄積されていくのです。また、すべてを完璧にやり切ろうと自分自身を追い込んでしまいます。
そのため、最初から育児が完璧に行くわけがないと割り切ることも、ストレスを溜め込まないためには大切です。適当に気を抜きながら子育てをしても、子供は成長していくものです。そのように大らかに育児を捉えるようにしてみましょう。
3.相談相手になってあげる
自分の子供が可愛くないと思うのが育児ノイローゼの症状ですが、このような悩みは心を許せる人たちにしか話せる内容ではありません。そのため、夫婦で育児を分担したり、相談相手になってあげるようにしましょう。何気ない会話をするだけでも気持ちは楽になります。
4.心療内科を受診する
育児ノイローゼは鬱のような症状も出てきます。鬱のような症状が出た場合は、診療内科を受診してみましょう。病院で診察を受ければ適切な薬を処方してもらえます。
「病院にかかるなんて恥ずかしい」と感じる方もいると思いますが、手遅れにならないように病院を受診するようにしましょう。
5.子育て支援センターを活用する
子育て支援センターは、小さな子供を持つママたちが交流を深める場です。気軽に行くことができ、同じような境遇の親子が交流できるのが大きな特徴です。
ここでは、子育てについての不安や悩みも相談することができるので「誰かに話だけでも聞いてもらえれば」という方も気軽に利用することができます。基本的に利用料は無料なので、近くの子育て支援センターを調べてみてください。
親権などの諸問題が出てくるため慎重に離婚を検討しましょう
育児ノイローゼで離婚を検討する方もいますが、離婚は夫婦2人だけの問題ではありません。離婚することで子供が不幸になることはありませんが、子供の意思を尊重して離婚を検討しましょう。
まずは、育児ノイローゼの症状が良くなるように環境を改善できないか努めてみることが大切です。向き合った結果、環境が改善されないようであれば、離婚手続きを薦めましょう。
しかし、離婚は子供にも大きな影響を与えるため、慎重に計画的に手続きを進めていくことが大切です。離婚する上では法律の知識を身につけておき、婚姻費用・慰謝料・財産分与・年金分割などの費用をキチンと請求することで、お金に困ることはありません。慰謝料の費用相場や結婚生活で築いた財産がどれぐらいあるかをチェックしましょう。
